
深夜の音だけの訪問者?その①
五感で楽しむキャンプライフ
大鶴義丹氏という俳優で映画監督なんかもやってる人が、「北海道の森の中の一軒家で、たった一人きりで暮らしてみる。」という企画に取り組んで、三か月で逃げるように東京に帰ってきたという番組を見かけた。
この状況は究極のソロキャンプの状態に近いのではないかと思った。
大鶴氏が語るところによると、
昼間に始めてやってきた時は、周りの景色の素晴らしさと、たまたま隣人がバイク乗りで同じ趣味の人も居て「理想の地」と思ったそうです。しかし夜になってその感想は一転してしまったそうです。
暗黒の世界が襲い掛かる

夕暮れは普段東京にいては絶対見られない、それはそれは素晴らしい夕焼けの風景で、これを見ながら一杯やるか、と酒を取りに戻って飲もうとしたとき、夕暮れは一変して暗黒の世界に代わったそうです。もはや自分の手すら見えない。慌てて家に戻り懐中電灯を持って外に出ると、こんどはその灯に向かって単行本ほどもありそうな「蛾」が飛びついてきたそうです。
見たこともない巨大な「蛾」は背筋が凍るほど恐ろしい怪獣に見えたのでは。
予期せぬ変化、自然に研ぎ澄まされる五感

暮らし始めて数日たつと、夜になると、酒を飲む以外やることが無い。
しかも周りは全く人気のない静けさ。そんな中で体というか、すべての感覚がいつの間にか研ぎ澄まされていくのを感じたそうです。
風に揺れる木々の枝や、野生動物の鳴き声などは当然ながら、虫が飛んだりするようなほんの小さな音さえはっきりと聞こえてきたのでした。
そのうち暗黒で静まり返った野外の様子が感じられるようになり、「あ、キツネが近くまで来そうだ」と感じると本当にキツネがいたりするようになったのだそうです。
無かったはずの霊感まで獲得する

さらに暮らすうちに、目に見えないものを感じ始めたそうです。
誰もいないはずの隣の部屋から「絶対何かがいる」といった感覚が出てきて、台所とリビング以外の部屋に行けなくなってしまったと語っています。
五感が研ぎ澄まされた結果、恐ろしい感覚迄呼び覚ましてしまったと言います。
結果、大鶴氏は三か月でこの生活を捨てて、東京に戻ったそうです。
山伏の修業で、一人前になる直前にする、たった一人で山中に数日間滞在する修業があるらしく、そこで挫折する人たちも多いと聞きます。極限の精神状態を自分でコントロール出来ないと、その後の修業もままならない、危険であるということでしょうか。
趣味が高じると時には思いがけないほど、自分を追い込んでしまうこともあると感じます。
程よく五感を高めるには。

「キャンプが好きだ!キャンプを楽しみたい。」それを忘れてはいけないと思います。
よりマニアックに、よりハードに、困難を克服する、危険な冒険をやり遂げる。それも楽しみ方であるのは否めません。
しかし、個々のキャンパーは自分の許容範囲を知るべきで、これ以上は心も体も無理という限界を知るべきであると私は思います。
その上で、私は自分のサイトで、自分を知り、自分の心と体を整えるための「五感で楽しむキャンプライフ」を提唱していきたいと存じます。
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