【還暦からのソロキャンプ】深夜の音だけの訪問者

先日、琵琶湖のキャンプ場で過ごした時のことを書きます。

有名なキャンプ場で、平日にもかかわらず、結構たくさんのキャンパーが居て、
ほどほどに人気(ひとけ)がある感じでした。

あまり人が多すぎると日常を離れた気がしないし、お互いに気を使うなど、
本当の意味でリラックスできないものですが、
本日は程よい距離感でテントが張れました。

30年ぶりのリターンキャンパーで今年4回目のキャンプです。

だんだんと昔の勘が戻ってきた感じで、余裕が出てきたところだったんですが・・・

琵琶湖は規模的に海と一緒ですよね、海風というか湖風が吹いておりました。

キャンパーの手ごわい敵。一つは風でした。

テントは凧じゃないんだって!

テントを張る時間帯に強風に吹かれるとは、「ついてないなー」とぼやきつつ、
ドームタイプのテントを組み立て始めたのですが、案の定悪戦苦闘。

テントは支柱を通すと、幕に丈夫な縁が付いた形でこれははっきり言って「凧」と同じ形状です。

風が来れば「ホイ来た。それ」とばかりにテントは主などほっておいて、空に舞い上がろうとする。

「バカ!お前は凧じゃない、テントだ、地面に降りろ!」
と心の中で怒鳴りつけても余程飛びたいのかテントは空を舞い続ける。

冷静に気象の事を分析すれば。テントは貼り付けの刑!

あーなんて災難だと思っていましたが、時間は午後4時過ぎ。
ということは間もなく夕暮れで、陽は傾き、気温は下がる。
湖面に向かう空気の流れはやがて止んで、風が収まるはずだ。

逆に陸地の温度が下がれば、湖面からの風が吹いてくる。
そうなる前にテントを張って夜営の準備を済ませなければ。

風が弱まったのを見計らって、テントの奴めの角に鋼鉄ペグで地面に縫い付ける。

「不届き者め!主を攪乱した上に凧になろうとは。一晩貼り付けの刑に処す!」
とお奉行のように心でつぶやきながらほくそえみました。

五感で探知するタイミング 困難も味わいかな?

強風が収まり始める時は、草の匂いがゆっくり流れてくる。気温が少し下がるのがわかる。
やがて風の音がゆっくり小さくなる。真昼中から夕方に代わる時、普段は気が付かない変化を
感じながら設営を進める自分がいる。夕方からは湖面からの風の対策を考えねば。

くつろいでいる時間だけでなく、こんな経験を帰宅してから思い返すのも、
キャンプの味わいかも・・・なんて思います。

ちょっとした困難もアウトドアの味わいなんですね。

困難を克服するときも五感は活躍します。

静寂の中の暗闘 視覚以外で読み取る弱肉強食の世界

夕食も終わり、酔いが回って眠くなったのでテントに入り眠り始めました。

夜半に物音で目を覚ましました。

どうやらテントのそばに何か動物が色気配がします。

残飯が無いか探りに来たのかな?猫より小さいようだ、ネズミかな、
あ!昼間にスーパーで買った「ごぼうサラダ」が外に置いたままだった。

取りに出ようと起き上がろうとしたとき、外から「バサバサバサ」という羽音、
続いて「ギー」という動物の悲鳴が聞こえてきました。

どうやらテントの周りにいた動物が、フクロウのような夜行性の肉食獣に捕まったらしい。

もがく獲物をつかんだまま飛び立つ鳥の羽の音が地面のかすかな振動と共に伝わってきました。

やがてかすかな血の匂いがしてきました。
「やられたな。」そう思いながら外に出ると夕方食事をしていたテーブルのそばに血の跡と、
鳥の羽が落ちていました。
テントサイトが狩猟の場になっていた様です。

こっちもやられた!

トイレを済ませてテントに戻り、眠りにつくと、しばらくしてまた羽の音が。
さっきとは違う羽音。しかしなんだか大きめの鳥のようで、テントの周りを
すこし歩き回っている音が聞こえます。

明け方で薄暗い中、カラスかな、鳶かかな。そう思っているとバサバサバサっと
飛び立つ音が聞こえてきました。

外が明るくなってきたのでテントから出て、さあ朝食にしよう、
と準備をしていると、無い!

ごぼうサラダがパックごと無くなっている!あ!最後の羽の音が犯人だったか。

五感で察知しておきながら、防御しなかった。やられたな。

こんなことでは野生の世界では生きていけないな。
自分の弱さを自覚しました。

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