【中川流ソロキャンプスタイル確立05】最高の発見!意外な取り合わせ

海のキャンプはやっぱり特別

キャンプをする場所によって、その雰囲気や体験が大きく変わりますが、私にとってやはり海辺のキャンプは特別です。波の音、風のそよぎ、広がる水平線に浮かぶ島々—すべてが日常の喧騒から私を解放してくれます。今回のキャンプも、そんな海辺のキャンプ場に足を運びました。

まずは、砂浜の利便性に感動。砂の上では、長いテントペグを簡単に抜き差しできるため、設営が驚くほどスムーズに進みました。そして、何より波の音が絶え間なく聞こえてくるこの場所は、心地よいリズムをもたらしてくれます。人工的な音が全くない環境に包まれることで、身体と心が自然とシンクロしていく感覚がありました。

波の音、風の音、鳥のさえずり。自然の音には絶対的な調和があり、それが科学的に証明されていると聞いたことがあります。特に波の音は432Hzと呼ばれ、心を安らげ、リラックスさせる効果があると言われています。この「地球の音」に包まれる瞬間、心の底から癒されることができるのです。

ゆったり過ごす時間とビール

テント設営を終え、キャンプサイトを軽く散策してから、ビールを手にしてキャンプチェアに腰を下ろしました。ゆったりと背もたれに身を預け、目の前に広がる海の景色を眺めながら、ただぼーっと過ごすこの時間がキャンプの醍醐味のひとつです。平日にも関わらず多くのキャンパーが集まっていましたが、それでも空間に余裕があるこの場所でのひとときは、何にも代えがたい至福の時間です。

しかし、しばらくして少しだけ退屈を感じ始めました。あまりにも静かで、自然の音しか聞こえない環境に慣れないせいか、何か違った刺激が欲しくなったのです。そこで、荷物の中に入れておいたトランジスタラジオを取り出し、イヤホンをつけてFMラジオを聞くことにしました。最初は軽音楽をBGMにして流していましたが、チューニングをしていると、NHK FMで流れていたクラシック音楽が耳に飛び込んできました。

クラシック音楽との再会

実は私、学生時代は軽音楽部に所属していたこともあり、クラシック音楽にはあまり興味を持っていませんでした。亡き父親が趣味でクラシックのLPを集め、オーディオ機器を駆使して楽しんでいた姿をよく見ていましたが、私自身はそれを特に好んでいたわけではなく、むしろスルーしていたものです。「クラシック音楽は高価なオーディオ機器で室内で楽しむもの」という勝手な先入観がありました。

しかし、このキャンプで偶然耳にしたクラシック音楽は、まったく異なる印象を与えてくれました。自然の中で聴くクラシック音楽。それは、まさに風景が作り出した音楽のように感じられたのです。ベートーヴェンの「田園交響曲」が流れてきたとき、私は自然とその曲に引き込まれていきました。作曲家たちは、もしかしたらこのような自然の美しい景色の中でインスピレーションを得て、作品を生み出していたのではないか、と強く感じました。

意外な発見

モノラルの小さなラジオから流れるクラシック音楽とともに、海の風景を眺めたり、目を閉じて音楽に浸ったりする時間は、予想以上に心地よいものでした。クラシック音楽がこれほど自然と調和し、心に響くものだとは思っていませんでした。この意外な発見に、私はとても興奮しました。

アウトドアチェアにもたれかかり、FMラジオの音楽に耳を傾けながら、時折そよ風を感じ、景色を楽しむ。これまでのキャンプでは考えもしなかった楽しみ方でしたが、五感をフルに使って自然と音楽を感じることで、まるで別世界にいるような感覚に包まれました。気が付けば、太陽は傾き、夕方の美しい空が広がっていました。

一人の宴:五感をフル活用

夕方の景色を眺めながら、キャンプの夜がやってきました。ビールとお気に入りのつまみを手に、焚き火を囲んで一人の宴を楽しむ時間です。目の前に広がる自然の風景、耳に届く波の音、そして風が肌を撫でる感覚。これらがすべての感覚を癒してくれます。

キャンプでは、特に五感をフル活用することが大切です。自然の音や景色に身を委ね、五感を通じて体全体でその瞬間を感じ取る。クラシック音楽を聞きながら、自然に溶け込む感覚は、私にとって新しいキャンプの楽しみ方を教えてくれました。これほど贅沢なひとときを過ごせるのは、キャンプならではの特権だと感じます。

焚き火の香りと米の炊きあがり

キャンプの夜は焚き火の時間。焚き火の音とともに、メスティンでご飯を炊き始めました。少し焦げる匂いが漂い始めた頃、焚き火台からメスティンを降ろし、蒸らし時間を待ちます。蓋を開けた瞬間、ふっくらと立ったご飯の香りが広がり、思わず顔がほころびました。口に運んでみると、まさに理想の炊き上がり。焦げた部分も香ばしく、これぞキャンプ飯の醍醐味です。

こんな風に、焚き火の前で食事を楽しむのはキャンプの特別な瞬間です。自然の中で自分で作った料理を味わう喜びは、格別なものがあります。普段の食事とはまったく異なるこの贅沢な体験に、私は心から満たされました。

まとめ:意外な組み合わせの魅力

今回のキャンプで私が発見したのは、クラシック音楽と自然の調和です。海辺のキャンプ場で、モノラルのラジオから流れるクラシック音楽を聴くという、意外な組み合わせがこれほど素晴らしいとは思いませんでした。ビールを飲みながら、五感をフルに使って過ごす時間は、まさに至福のひととき。自然と音楽、そしてキャンプという最高の取り合わせが、私に新たな楽しみ方を教えてくれました。

「この組み合わせは絶対にアリだ!」と悦に入りながら、私は次のキャンプでもまたこの発見を楽しもうと心に決めました。

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